岩を登れると、標高差が稼げていいな。というのは単なる幻想でした。
栃木県の鹿沼に、山があることすら知りませんでした。関東平野が終わるあたりから、低山ながらも山が湧いて出てきます。崖のある山も目立ち、気合いを入れていかないと…。この日登ったのは鹿沼岩山。標高は328mと簡単に登れそうな感じですが、ヤマレコにも出ていないような知る人ぞ知る岩登りトレーニングの山なのです。
最初は気軽なトレッキングという感じでしたが、突然何層にもわたって岩の壁が立ちはだかります。花崗岩ということでしたが、むしろ粗切りの大谷石の感があり掴むと指が痛い。次第につま先を掛ける僅かな凹みも見失い、岩に張り付いたまま動けず。2度ばかりガイドの先生にヘルプを出す始末でした。
まさに命がけの登山、究極の三点確保でした。ロープで身体を確保しながら登り降りするだけで、守られていることのありがたさをひしひしと感じ涙が出ました。
毎回こんなにリスキーな登山をしようとは思いませんが、年に一度は命のありがたさを垣間見れるようなコースに行きたいものです。人生観が全く変わってしまいます。